一雨ごとに



  昨日まで燃えてゐた野が
  今日茫然として、曇つた空の下(もと)につづく。
  一雨毎に秋になるのだ、と人は云ふ
  秋蝉は、もはやかしこに鳴いてゐる、
  草の中の、ひともとの木の中に。


しばらく前に蝋梅が咲いていたと思ったら、ちらほらと梅の花が見られるようになった東京周辺。


  一雪毎に春になるのだ


というのはとてもへんですが、それでも、1月なかばを過ぎてから、少しずつ春が近づいてくる感じがします。


それも、雪がふり、解けるたびに、わずかずつ。


何よりも、はっきりと日が長くなったから、でしょうか。


さて、初夏から秋、ときに初冬にかけて、よく見られるムササビタケ[Psathyrella candolliana]。昨年10月末の撮影。





季節はずれますが、春の近づくなかでしづこころなき光を重ね、背景に秋の木漏れ日を取り込んだ写真です。