キノコの工場生産



少し前、TV東京系「ガイアの夜明け」という番組で、きのこ産業の特集を組んでいました。以下、話が少し拡散します。


人工栽培ができないと言われていたホンシメジが栽培可能になったこと、HOKUTOと雪国という二大キノコ企業のブナシメジ価格競争が熾烈になったこと、などなど。


とりわけ印象に残ったのは、信州で40年近くブナシメジ栽培をしてきた農家が、「味は絶対に自信がある」と言いながら「作れば作るほど赤字」と言っていたことです。


ここで、大企業による食べ物の工業生産品化と中小企業への(価格競争を介した)圧迫に話をもっていくこともできますが、それとは別にちょっと気になった点は、小売りスーパーが、「かたち」をやたらと気にしていたこと。


私も、山で採るきのこのかたちは気になりますし、やっぱり立派なかたちのものが良い。


でも、たとえばエノキタケ。天然のものはあれほど美味しいのに、どうして栽培品は白いもやしみたいにするのだろう(「山えのき」として最近でているちょっと茶色いやつも天然ものには圧倒的に劣ります)と調べてみると、実は昔、天然ものに近いエノキタケを栽培販売したところ、色やかたちが悪くて売れなかったという経緯があったらしいのです。


料理をするとわかりますが、むろん、かたちや大きさは味に関係してきます。でも、カリっとあげてサラダに乗せる料理以外、あらゆる点で、ほんとのエノキタケの方が優れているのに、どうして? という疑念は残ります。


ウィンドウズとかMSWordといった悪辣な寡占企業の粗悪品ソフトがはびこることを見ても、良いものが広まるわけでは必ずしもありませんが、きのこも買うときは多少は考えようと思った番組でした。


番組最後のまとめ(確か役所広司)に、唖然とするほど凡庸で内容がなかったことには衝撃を受けました。


東都生協の注文書を見ると、きのこは14タイプの販売。最近は、はたけしめじもあります。とりあえず、産地と生産者を気にするようになりました。