サービスの初心にかえって



ときおりみかけますが、どうしても苦手なもの・・・・・・

  • 「シェフの気まぐれサラダ」:気まぐれで作られても、困ります。
  • 「古酒屋のひとりよがり」:ひとりよがりなら、どうして売るの?



「古酒屋のひとりよがり」というお酒は、「栄光富士」を造っているところ。そんなに悪くありませんが、最近のことは、わかりません。


むかし、「笑顔で親切なサービス」に、自分たちの利益になることを、あたかも客のためであるかのように見せかける、気持ちの悪さについて書きました。


今日は、東京、池袋の南/東にある本屋さん「LIBRO」のお話です。


実は、LIBRO、ジュンク堂ほどの品揃えはないながら、社会科学関係の棚(3F)は、並べ方になかなかのコンセプトがあって、気に入っていたのです。


ところが、あるときから、本を選んでいると「いらっしゃいませ〜ぇ〜」「いらっしゃいませ〜ぇ〜」と、多方面から雑音があがるようになりました。レジに本を持っていったときに「いらっしゃいませ」というのならば、わかります。でもそうではなく、配架や棚卸し担当の人が、その仕事をしながら、ランダムに、「いらっしゃいませ〜ぇ〜」とわめくのです。


それがウザくてウザくて、LIBROで本を買うのを、それ以来、やめています。


さて、昨日。


私の友人が、LIBROで、あまりのうるささに耐えきれなくなって、担当の人を呼んでもらって、この「『いらっしゃいませ〜ぇ〜』嫌がらせ」について、クレームをしたんだそうです。


そうしたところ、担当の人が、「私どもといたしましては、職員一同、サービスの初心に戻って・・・・・・」と説明してくれたとか。


サービスの初心!


雑音をまき散らして、どの本を選ぼうかと見ている客をわずらわせることが、サービスの、しかも初心!。完全に、100%、徹底的に、壊れています。


やれやれ。その友人の、質問と主張(私も、全面的に賛成です)。

  • (マンションなどで見知らぬ人に声をかけて挨拶すると、窃盗などを防止できるらしく、それと同様に)万引き防止対策ですか? お店の人「いえ、そうではありません」
  • いきなりわけもわからず、後ろを通りかかった店員が「いらっしゃいませ〜ぇ〜」と叫んで通り過ぎる。また、特に新しい客が来たわけでもないし、特定の客と目があっているわけでもないのに「いらっしゃいませ〜ぇ〜」とわめく。これは嫌がらせですか? お店の人「いえ、そうではありません」
  • うるさくてうるさくてたまらないのですが、誰がいったい何を考えてこのような異様なことを始めたのですか? 「私どもはデパートに入っておりまして、サービスの初心に戻って」
  • サービスの初心は嫌がらせですか? 「いえ、決してそういうわけでは」
  • 店員さんに、それでは色々聞いても、ジュンク堂書店の店員さんよりも、本について知らないことが多いのですが、聞いたことにきちんと答えられるようにしておくのがサービスの基本ではないですか? 「ええ、それは」
  • しかも「いらっしゃいませ〜ぇ〜」と叫び/わめく店員さんたちは、特に、顧客に対して個別に対応しようとする態度において、叫び/わめく前よりも技術力があがったわけでもありません。技術力のなさをごまかすために「いらっしゃいませ〜ぇ〜」と叫んで、客に嫌がらせをしているように思えますが。 「そうではございません」
  • 図書館で職員が「いらっしゃいませ〜ぇ〜」と叫んでいることを想像してみてください。異様なことではないですか? 「しかしわたくしどもは図書館ではなく書店ですので」
  • 八百屋さんで「いらっしゃいませー」と威勢良く叫ぶことがありますが、あれはあくまでも、一人一人の客を見てのこと。ランダムに「いらっしゃいませ〜ぇ〜」とわめくこととは違うと思いますが、どうですか? 「・・・・・・」
  • 本当に、ランダムに各所からうるさく「いらっしゃいませ〜ぇ〜」と叫ぶことが、サービスだとお考えなのですか? いったい、このような「愚劣な」ことを、どなたが考えたのですか? 「私ども店員一同・・・・・・」(嘘に決まっている。まともな店員ならば、そんなことをやりたがりはしない)
  • コンビニのまねですか? コンビニでも深夜、店員が声をかけると窃盗とかの予防になるとか。「いえ、コンビニのまねというわけでは」



といった感じで会話が進んだそうです。


それにしても。


対応した店員さん。ご自分が本屋さんの客になったときに、本当に幸せですか? 本を選ぼうとしていて、突然左後ろから「いらっしゃいませ〜ぇ〜」。振り向くと、そう叫んだ店員は、本を抱えて倉庫に歩いて行っている。


気を取り直して選ぼうとしたら、今度はレジの横から、レジ担当じゃない人が、どこへともなく「いらっしゃいませ〜ぇ〜」と叫ぶ。


何度も、何度も、何度も。


心底辟易したのは私とその友人だけかと思いきや、ほかにも、2人、同じように思っていた人がいました。


そういえば、某所のPRONTOで、店の前に出ていたメニューを見ていたら、中から店員が出てきて、「いらっしゃいませ〜ぇ〜、どうぞ、あいておりますよ。お入りになれますよ」(これを繰り返す)ということがありました。


メニューを店の前に置くのは、何があるかを見せるためだと思っていたのですが、どうもそうではないようです。


画面の案内を読んでいるときに、「画面の案内をよく読んで」と話し始めるイカレタATMの機械もそうですが、「サービス」という名のもとの、嫌がらせが、このところあまりに多すぎる気がします。


そういえば、神田の三省堂書店東京堂書店でも、ひどいことがありました。


「誰が本を殺すのか」とか言っている人がいますが、これらの小売店は、あきらかに本殺しに荷担しているように思います。


最後に一句。


さあびすの 初心にかえって いやがらせ