乾燥セップ活用の秘訣 (1)
今日は乾燥セップ活用法について紹介したいと思います。タイトルには秘訣(1)とありますが、(a) そう大した秘訣でもありませんし、(b) 続編で(2)、(3)・・・があるかどうかもわかりません。
セップの和名はヤマドリタケで、学名はBoletus edulis。イタリア語はポルチーニ、ドイツ語ではスタインピルツ、イギリスではセップあるいはペニーバンと呼ばれています。カタロニア語とフランス語ではセップ。大変美味しい茸です(以前このブログにコメントを下さったアメリアさんもポルチーニ好き、と書かれていました)。
手元に写真がないので、どんな茸かみたい方はこちらのリンクをたどって見て下さい。写真をクリックすると拡大されます。
けれども、多くの場合、きのこマニアじゃない人に手に入るセップは生のフレッシュなやつではなくて、乾燥したものか、オリーブオイル漬けのようなものだと思います。特に、乾燥セップは最近色々出回っていますし、おみやげに受け取ったと言う人が私の回りでも増えています。
ところがこの乾燥セップ、甘い、嗅ぐだけで涎が出そうな良い香りがあるのですが、水で戻してもなかなか香りが活かせません。また、生のものにあるすてきな歯ごたえも乾燥品を水で戻したものからは、得られません。
それではどうしよう??? そこで、
ヴィシソワーズのセップ風味
の登場です。作り方は簡単。乾燥セップをミキサーで粉にして、ヴィシソワーズを作るときに混ぜ込むだけです。
『困ったときのおかず大全科』(グラフ社:この本は写真はいまひとつですが、中身は本当に役に立つ名著です)を参考に、作り方を紹介しましょう。
用意するもの:ジャガイモ2個、タマネギ半分、長ネギ4分の1本、セロリ5センチ、バター大さじ2、固形スープの素一個半、塩小さじ1、こしょう少々、牛乳・生クリーム各一カップ、あさつき少々、そして乾燥セップを5片から20片(好みで調整)。
- ジャガイモとセロリを薄切り、タマネギみじん切り、長ネギ小口切り
- セップはミキサーで粉にしておく
- 鍋にバターを溶かし、タマネギ・長ネギを炒める。ジャガイモとセロリを合わせ、水2カップとスープの素、塩、こしょう、粉末乾燥セップを加えて煮立てる
- 弱火にして2,30分煮て、粗熱をとる。マッシャーで細かく固形分をつぶして、ふきんで裏ごしする(通常はミキサーでなめらかにしますが、なぜここでは裏ごしか、あとで説明しますね)
- 牛乳と軽く泡立てた生クリームを加え、冷蔵庫で冷やす
- 冷えたうつわによそい、あさつきの小口切りを浮かべていただく
セップの良い香りが生きて、クセになる美味です。
ちなみに、裏ごしをすると、ジャガイモなどの固形分がふきんに残ります(残しましょう)。それをキノコの形に整形してオーブンで焼くと、これがまた、えもいはれぬ、美味。
この料理パターンは色々応用できます。たとえば、パスタのホワイトソースに粉末セップを混ぜ込み、セップ風味ソースを作る。これもクセになる美味です。
皆さんも、お試しあれ。グラフ社の『困ったときのお料理大全科』を見て、粉末セップをスパイスと見立てた他の組み合わせも工夫するといいかも知れません。試した方は、教えてね。