君の名は?
酒は、あまり量を飲める方ではありませんが、料理に合わせて酒を選ぶのは、とても好きです。
特に、ワインと日本酒。凡庸ですが。
日本酒は4合瓶1500円程度のものの中に、ここ10年ほど、随分美味しいものが増えてきたように思います。一升瓶だと2300円から2500円くらいのもの。値段が穏当になってきたこともあって、最近では、料理に、ワインよりも日本酒を合わせることが多くなってきました。
ただ、ワインと比べたときに、日本酒では、困ることがいくつかあります。その一つが、酒の名前。
たとえば「女なかせ」。この時代錯誤的な名付けは気持ちが悪いので、残念ながら、それだけで買う気が失せるのです。あと、「社長の酒」。同じ蔵から「部長の酒」というのもあるそうで、社長も部長も別に男性だとは限らないけれど、やっぱりホモソシアルな同性の前近代的階層社会の習慣性みたいなものを感じてしまいます。
その名を聞くたびになんとなく可笑しい気持になるのは、北島酒造の、
「酒は男を磨く水」
何だか、丸っこい男(ちょいとカボチャみたいなの)が、酒を含んだスポンジで、ごしごし磨かれてる光景を想像してしまうのです。というわけで、そのイメージを描いたのが、右上の絵。酒造の説明には
人と地球にやさしい健康志向酒。精米歩合90%におさえ、糠の栄養分をそのまま残したお米で造りましたのでミネラル,鉄分,ビタミンB等が多く含まれたお酒。 地球を美しく、資源は大切に、健康に良くて美味しい、そんな理想を追求して生まれた、期待を超えた知的でオーガニックなお酒。
とあります。
どうせなら、ぜひ名前もパロディ的なものではなく「知的」にして欲しかった[酒は男を磨く水、なんてのがパロディではなく通用する世界は圧倒的に幼稚なもののように思える]。こう思うのは、私だけではありませんでした。私の回りにも何人か同じ意見のひとがいます。
そんなわけで、これらの酒は、ひとえに名前が阻害因となって飲んでません。
人は母語以外の言語に対峙したとき母語を改めて意識する、というわけで、ワインで、ちょっと考えてみましょう。
命名:
ワインは女を磨くミルク
Le vin, c'est le lait qui polit les femmes.
El vino, es el leche que puli las mujeres.
The wine, it's a milk that polishes women.
超、ヘン。 なお、文法の細かいところ、とりわけ冠詞は、気にしないで下さい。
で、キノコとの関係は? 今日は、なし。夕食どきに、アカモミタケとムラサキシメジの佃煮をつまみに、「谷桜」を飲んだ、とゆうことで。